春は別れと出会いの季節!日本では新生活が4月に始まります。

2019-03-22 その他
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桜の花が満開となる4月、ピッカピカの1年生が真新しいランドセルを背負って小学校に通い始めます。またこの時期になると「新生活応援キャンペーン」といった広告をあちこちで見かけるようになります。

これは日本の学校や役所、企業など、4月を「新年度」の開始月としているところが多いからです。新しい学年、新しい仕事、新しい生活という言葉から、日本人が連想する月は、一般的に1月ではなく、4月でしょう。

今回は、日本の年度について、学校年度を中心に紹介してみようと思います。

学校の新年度が4月に始まる理由

年度という考え方は、国によって異なりますが、欧米の学校は9月入学とするのが主流のようです。ではなぜ、日本の学校は4月入学なのでしょう?

昔はいつでも入学できた

江戸時代、日本には義務教育制度がなく、寺子屋と呼ばれる民間の学習塾のような施設や、藩校と呼ばれる公立の学校のような施設が利用されていました。これらの学校は、一年中、いつでも入学できる仕組みになっていました。

明治時代になると西洋の文化にならい、学校制度が法令化し、大学などは9月入学を採用します。明治時代の小説、夏目漱石の「坊ちゃん」の文中にも、「六月に兄は商業学校を卒業した。」というくだりがみられます。

しかし1886年、政府の会計年度が4月開始となり、それにあわせて4月入学へ変更する学校が増えていきます。そして1947年には、学校教育法施行規則で「小学校の学年は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。」と定められ、一部を除き、4月入学に統一されたのです。

はっきりした理由は分からない

学校年度が4月入学となった経緯には、国の会計年度が変わったことをはじめ、教師を育成する師範学校が4月入学となったこと、徴兵令の届け出の締め切りが4月1日に変更されたことなど、さまざまな契機があると言われます。例えば、学校の運営費が国や地方自治体からまかなわれていたことから、会計年度にあわせたとも考えられています。

企業の年度は、4月もしくは1月に始まることが多い

ちなみに会計年度とは、国や地方公共団体の収支を管理する期間の区切りです。日本では、毎年4月1日から翌年3月31日までとされています。

一方、企業が収支を管理する期間の区切りを会計期間(事業年度)といいます。国の会計年度が、財政法によって定められているのに対し、会計期間は自由に決めることができます。

  • 会計年度にあわせ、毎年4月1日から翌年3月31日までを会計期間とする
  • 海外の顧客や支店にあわせ、毎年1月1日から12月31日までを会計期間とする

のいずれかが多い傾向にありますが、繁忙期と決算期が重なると業務に支障がでるなど、さまざまな理由で、他の期間を選択する会社も少なくありません。

個人事業主の会計期間は毎年1月1日から12月31日までと決められています。

9月入学への変更は難しい

学校年度が4月入学であることの最大のデメリットは、留学など海外と交流する際、主だった国で、入学や卒業の時期がずれることでしょう。

日本人が海外に留学する場合、外国人が日本に留学する場合、帰国子女が高校卒業を機に日本の大学を受ける場合、日本と海外で共同研究をする場合など、年度の開始時期や終了時期にギャップが生じます。

一部の学部で9月入学を取り入れている大学もありますし、国会などでもしばしば「9月入学への回帰」が検討されますが、就職活動や国家試験の時期、奨学金制度など問題も多く、大学を一括して9月入学とするのは、今のところ難しそうです。

日本人としっくりくる4月入学

日本には「春夏秋冬」という言葉があります。1年の季節のうつろいを、植物の一生に例え、四季を春の芽吹きから始めるのです。また、受験に合格することを「サクラサク」と表現します。昔、大学の合格通知として使われていた電報の文例から来た言葉です。

日本人にとって、春や桜は、何かが始まるワクワクした気持ちを表すものとして、深く浸透しています。9月入学の実現が難しい理由は、現実的な問題よりも「春に始まるほうがしっくりくる」そんな感覚的な問題なのかもしれません。


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