女性用着物の種類・特徴一覧
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着物は日本の伝統的な衣装です。第二次世界大戦後、洋服が主流になるまで、日本では着物が一般的な衣装でした。着物には、さまざまな種類があります。今回は、主に女性用の着物の種類についてご紹介します。
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着物の種類
着物には、さまざまな種類があり、TPOに応じた着物を選ぶ必要があります。夏になると目にする「浴衣(ゆかた)」も、着物の一種です。
黒紋付(くろもんつき)
黒紋付とは、紋(もん:各家のしるしとして定まっている図柄)が5箇所に入った黒無地の着物のことをいいます。着物の中で最も格式が高く、主に冠婚葬祭で着用します。
振袖(ふりそで)
未婚女性の礼装です。華やかな絵羽模様(えばもよう:和服の縫い目にまたがる大柄の模様)と長い袖が特徴です。袖の長さで、さらに種類が分かれます。
大振袖(おおふりそで)
振袖の中で一番格式が高く、本振袖(ほんふりそで)ともよばれます。袖丈が約114cmもあります。結婚式で花嫁が着る婚礼衣装に使われます。
中振袖(ちゅうふりそで)
次に格が高いのが中振袖です。こちらは約100cmの袖丈で、足首くらいまで届きます。成人式に参加する人が着る衣装に使われます。
小振袖(こふりそで)
小振袖の袖丈の長さは約85cmです。卒業式などで、袴(はかま:着物の上に着る腰から足までを覆う衣服)と一緒に着用します。
留袖(とめそで)
既婚女性の礼装です。主に結婚式などフォーマルな場で着用します。黒留袖(くろとめそで)と色留袖(いろとめそで)の2種類があります。
黒留袖
黒地に、裾にだけ模様が入っているデザインが特徴です。黒紋付と同じように、紋が5箇所に入っています。祝い事でのみ着用できます。
色留袖
黒地以外の留袖を色留袖といいます。こちらも裾にだけ模様が入っていますが、紋を入れる数は5箇所、3箇所、1箇所、ゼロとさまざまです。こちらは既婚女性だけでなく、未婚女性も着ることができます。祝い事でのみ着用できます。
訪問着(ほうもんぎ)
訪問着は色留袖と似ていますが、上半身から模様が入っています。また淡い色がよく利用されます。色留袖がカジュアルな場にふさわしくないとされるのに対し、訪問着は祝い事で幅広く着用できます。
小紋(こもん)
外出着として代表的な着物で、全体に小さな模様が繰り返し入ったデザインが特徴です。多種多様な柄があるため、幅広い用途で着用できます。
浴衣(ゆかた)
最もカジュアルな着物です。現在でも、夏場のちょっとした外出着として親しまれています。これまで紹介した着物との最大の違いは、着物を着る前に、長襦袢(ながじゅばん:着物の中に着る白いインナー)などを着る必要がない点です。浴衣だけで着用できます。一般的に、足袋(たび)を履く必要がある草履(ぞうり)ではなく、素足のまま履ける下駄(げた)を履きます。
着物以外に必要なもの
着物を着る時に必要なアイテムは、帯だけではありません。最低限必要な小物を紹介します。
長襦袢
着物を着る前に、肌着として着用します。
帯締め(おびじめ)
帯の中央に締めるベルトのようなもので、帯を押さえる役割を果たします。
足袋
靴下のかわりになるアイテムで、つま先が二股に分かれています。
草履・下駄
さまざまな材質の草履や下駄があります。それぞれのシーンにふさわしいものを選びましょう。
バッグ
巾着(きんちゃく)や手提げのついたものなど、さまざまなデザインのバッグがあります。それぞれのシーンにふさわしいものを選びましょう。