【行政書士が解説】日本で働くときの在留資格のポイント

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Vol.7「在留資格の種類とルール」で、日本には29種類の在留資格があり、「できる仕事」「できない仕事」が決められていると説明しました。今回は、日本で働くための在留資格にはどんなものがあるか具体的に見ていきましょう。

以下の表に在留資格とその在留資格で就くことができる職業についてまとめてみました。

仕事の内容が決められている在留資格

在留資格該当する職業例
外交外国政府の大使、公使、総領事、代表団構成員等とその家族
公用外国政府の大使館・領事館の職員、国連等から公の用務で派遣される者等とその家族
教授大学教授等
芸術作曲家、画家、著述家等
宗教外国の宗教団体から派遣される宣教師等
報道外国の報道機関の記者、カメラマン
高度専門職ポイント70点以上を取得した高度人材(1号、2号)
※高度専門職1号(3種類)
イ:研究または研究の指導、教育をする活動。
ロ:自然科学または人文科学に関する知識、技術を要する業務に従事する活動。
ハ:公私機関で事業経営または管理に従事する活動。
※高度専門職2号:高度専門職としての活動を継続しつ つ、他の活動も付随して行うことが 可能。
経営・管理企業等の経営者・管理者
法律・会計業務弁護士、公認会計士等
医療医師、歯科医師、看護師
研究政府関係機関や私企業等の研究者
教育小学校、中学校、高校等の語学教師等
技術・人文知識・国際業務機械工学等の技術者、通訳・翻訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等
企業内転勤外国の事業所からの転勤者
介護介護福祉士
興行俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手等
技能外国料理の調理師、スポーツ指導者、パイロット、貴金属等の加工職人等
特定技能特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能と業務に従事する外国人(1号、2号)
【14分野】介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業
技能実習日本企業で技能を習得する技能実習生(1号、2号、3号)
研修研修生
特定活動ワーキングホリデー、家事使用人、インターン等

在留資格の手続き

まずは、就職先を見つけ、雇用契約を結んでから、必要であれば在留資格の変更手続きを行います。ポイントは在留資格の条件を満たす仕事かどうかを確認しながら、仕事を探すことです。

キャリアアップ!

日本で働き始め、もしかしたら数年後、キャリアアップの一環で異動したり、昇進したりするかもしれません。同じ会社で働いていたとしても、異動や昇進で仕事内容が変わった場合、そのままの在留資格でよいか確認しましょう。

転職したい!

上記の在留資格を持つ方が転職する場合は、原則、前の職場を辞めてから3か月以内に転職をする必要があります(高度専門職2号の場合は6か月)。その期間を超えて、正当な理由がなく、在留資格で許可された活動をしていないと、在留資格を取り消されてしまう可能性があるので、気を付けましょう。

転職や退職などにより、現在所属している会社との契約が終了した場合や新たな会社と契約を締結した場合は、その事由が発生した日から14日以内に入管に「所属機関に関する届出」を提出しなければなりません。入管のHPに詳しく載っているので、見てみてください。
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/shozokunikansuru_00001.html

そして転職する場合も、新しい会社で新しい仕事をするためには、今の在留資格のままでいいのか、確認したほうがよいでしょう。

仕事の内容に制限がない在留資格

身分や地位に基づく在留資格「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」を取得している場合は、職種や時間に制限なく働くことができます。就職するときも、在留資格の変更は原則不要です。

資格外活動許可を取れば、働ける場合

「留学」や「家族滞在」の在留資格の場合、本来は仕事ができないとされていますが、「資格外活動許可」という許可を取れば、原則、週28時間(留学生の場合は、夏休み等、学校が長期休暇の場合は1日8時間)、アルバイトやパートとして働くことができます。

なお、留学生の場合、在籍する学校を卒業した後はアルバイトができないので、注意しましょう。

詳しいことは、ぜひ在留資格の専門家である行政書士に相談してください!

この記事を書いた人 行政書士 笠間由美子(行政書士かさまゆみこ事務所)

プロフィール

神奈川県行政書士会 国際部 副部長
国際協力NGOにてアジア・アフリカ・中南米の途上国支援に従事後、行政書士へ転向。在留資格(ビザ)・国籍の手続を通して外国人支援を行うとともに、中小企業の外国人材活用に対するコンサルティングなどにも取り組む。
国やビザの種類を問わず、幅広く対応。事情のある案件、難しい案件への挑戦を得意分野とし、技能実習や特定技能にも積極的に関わる。

  • 川崎市 市民文化局人権・男女共同参画室 人権施策推進協議会 市民委員
  • 川崎商工会議所 外国人雇用支援研究会 メンバー
  • 公益財団法人川崎市産業振興財団 経営指導相談員(外国人雇用)
  • 川崎市国際交流協会 ボランティア
  • 神奈川県中小企業団体中央会 「特定技能」問題研究会 コーディネーター
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