知ってる?あんこの種類は「製法・原材料・加工」で決まります!
2020-07-20
その他
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あんこは、日本の伝統的な食品です。和菓子はもちろん、洋菓子にも使われます。優しい甘さなので、こどもからお年寄りまで広い世代に愛されています。
あんこは、小豆(あずき)を煮込んで、砂糖を加えて練った、ジャムのような食品です。小豆だけでなく、さまざまな豆類やサツマイモ、栗などで作ることもあります。今回は「あんこ」についてご紹介します。
コンテンツ
あんこのルーツ
あんこは「餡(あん)」とも呼びます。「餡」は、1,400年以上前に、中国から伝わったといわれます。当時は、米や小麦で作った食べ物の中に詰める具材全般を「餡」と呼びました。そのほとんどは肉で、塩味でした。その後、肉が小豆に変わり、江戸時代には、小豆で作った甘いあんこが食べられるようになりました。
あんこの種類
製法の違い
- つぶあん・つぶしあん・小倉(おぐら)あん
つぶあん:小豆をつぶさないように炊いたあんこ
つぶしあん:つぶあんの粒を、あえてつぶして炊いたあんこ
小倉あん:大粒の小豆を砂糖やはちみつで甘く煮て、こしあんに混ぜて作ったあんこ - こしあん・練りあん
ゆでた豆をつぶして裏ごしし、豆の皮を取り除いたあんこ
原材料の違い
- 小豆餡
原材料:小豆
もっともポピュラーなあんこ - 赤餡
原材料:赤インゲン豆など、赤い豆 - 白餡
原材料:白インゲン豆や白ササゲ豆、白小豆など、白い豆
通常は、こしあんにします。小豆餡よりもあっさりしているので、フルーツや生クリーム・クリームチーズなど、ほかの素材と混ぜて使うこともあります。 - うぐいす餡
原材料:青えんどう豆
うぐいすの羽の色のような、茶色がかった黄緑色のあんこ。柔らかな色なので、春を表現した菓子などによく使用されます。 - ずんだ餡
原材料:枝豆
うぐいす餡よりも、明るい若葉のような黄緑色のあんこ。甘い餡だけでなく、塩味の餡があり、東北南部の郷土料理によく使われます。 - その他
こしあんに、ごまや抹茶や卵黄を加えたあんこや、サツマイモや栗など、豆以外の原材料で作ったあんこもあります。
加工状態の違いに注意
スーパーなどで「あんこ」を購入する際は、加工状態の違いにも注意しましょう。
- 生餡(なまあん)
小豆を煮て、砂糖を加える前のあんこ。砂糖を加え、練って使います。 - さらし餡
生餡を加熱して、粉末状にしたあんこ。水で戻してから、砂糖を加え、練って使います。 - 練り餡
生餡もしくはさらし餡に、砂糖を加えて練った、ペースト状のあんこ。
あんこを使った、代表的なお菓子
- あんぱん・小倉トースト
中にあんこを詰めて焼いたパン
トーストにあんこをのせることもある - おはぎ・ぼたもち
蒸したもち米をついて、俵型に丸め、あんこでつつんだもの - 大福
薄く伸ばした餅で、あんこを包んだもの - 団子
穀物の粉を練って、小さな球状に丸め、加熱したものに、あんこをつけたもの
- 饅頭(まんじゅう)
小麦粉などを練った生地であんこを包み、蒸したり焼いたりしたもの - どら焼き
小麦粉などを練って焼いた円盤状の生地を2枚使い、あんこを挟んだもの - 大判焼き(おおばんやき)・今川焼(いまがわやき)・回転焼(かいてんやき)
小麦粉などで作った生地の中にあんこなどの具を入れ、円盤状の金属製の機械で焼いたもの - タイ焼き
小麦粉などで作った生地の中にあんこなどの具を入れ、鯛(たい)の形をした金属製の機械で焼いたもの
- 最中(もなか)
もち米の粉を薄くのばして焼いた皮と皮との間に、あんこを挟んだもの - ようかん・水ようかん
水で溶かした寒天(かんてん:海藻の煮汁を乾燥させた食材)にあんこを混ぜ、固めたもの - あんみつ
寒天・果物・あんこなどを器にいれ、シロップをかけたもの - 小倉(おぐら)アイス
あんこを混ぜて冷やし固めたアイスクリーム
かき氷にあんこをのせることもある