すき焼きとは?起源と関東風・関西風の違い
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「すき焼き」は、お祝い事やおもてなしなど、ごちそうとして食べられることもある鍋料理のひとつです。お店で食べることもできますが、家庭で鍋を囲みながら食べることもできます。今回は、すき焼きについてご紹介します。
コンテンツ
すき焼きとは?
鍋で肉を焼いた後に、調味料と野菜加え、煮て食べる料理です。甘辛く、濃い味がします。一般的には、「すき焼き鍋(鉄製の平たい鍋)」かグリル鍋を卓上コンロで熱し、調理しながら食べます。グリル鍋として使えるホットプレートもあります。
肉
薄切りにした牛肉が主流です。しゃぶしゃぶも薄切り肉を使いますが、しゃぶしゃぶよりも少し厚みがあります。豚肉や鶏肉、鴨肉などを使うこともあります。
具材
長ねぎ、春菊、白菜、水菜、ごぼう、しいたけ、えのき、焼き豆腐、しらたき(糸こんにゃく)など、甘辛い味付けがあう食材を使います。
調味料
すき焼きには、大きく分けて「関東風」と「関西風」があり、作り方も味も異なります。関東風は事前に、砂糖や醤油、みりんや酒を混ぜた「割下(わりした)」と呼ばれる調味料を作って、肉や野菜を煮ます。一方、関西風は割下を作りません。肉を焼いて砂糖と醤油で味を調えた後、野菜を加え、煮詰まらないよう「かえし(煮立ててアルコールを飛ばしたみりんと、醤油を混ぜたもの)」や酒、だし汁などを加えます。割下は市販されているので、初めて作る場合は、関東風の方が作りやすいかもしれません。
すき焼きの起源
もともとすき焼きは、関西の料理です。「鋤(すき:スコップのような形状をした土を掘り起こす農具)」の金属部分に肉を乗せ、焼いて食べたことが語源といわれます。一方、関東には牛肉と具材を割下で煮る「牛鍋(ぎゅうなべ)」がありました。それが後に融合し、いずれも「すき焼き」と呼ばれるようになりました。そのため、関東風と関西風では作り方や味が異なるのです。
作り方
最初に関東風と関西風の違いを動画で確認しておきましょう。
関東風
関西風
具材を用意する
牛肉は薄く、食べやすい大きさに切ります。「すき焼き用」販売されている薄切り肉を使うと便利です。
長ねぎは斜め切り、春菊や水菜や、白菜の葉は食べやすい大きさにします。ごぼうなどの固い野菜はピーラーで薄くそぎましょう。しいたけやえのきは石づきをとり、食べやすい分量に分けます。豆腐は8等分にしましょう。しらたきは煮るとアクがでるので、事前に塩を少し入れたお湯で下茹でしておきましょう。結んでいないしらたきの場合は、約15cmに切っておきましょう。
【関東風のみ】割り下を用意する
砂糖、醤油、酒、みりんを混ぜます。好みでだし汁を入れる場合もあります。分量は好みですが、最初は市販されている「すき焼きのタレ」を使うとよいでしょう。
肉を焼いて食べる
最初に肉の味を楽しみます。後で野菜と一緒に調理する分を残しておきましょう。
鍋を熱して、牛脂を溶かします。牛肉を広げて両面を焼きます。関東風の場合は、少量の割下をからめて食べます。関西風の場合は、砂糖と醤油をからめて食べます。
残りの肉を焼き、野菜を入れて煮る
残りの肉を焼き、野菜を入れます。
関東風の場合は、鍋の半分くらいまで割下を入れて煮ます。関西風の場合は、砂糖と醤油を入れ、煮詰まらないよう「かえし」や酒、だし汁などを加えて煮ます。
いずれの場合も、火の通りにくい野菜から順に入れるとよいでしょう。
食べ方
一般的にすき焼きは、生卵を溶いたものを絡めて食べます。生卵が苦手な場合は、半熟のゆで卵や卵焼き、温泉卵などを試してみてはいかがでしょうか。卵をつけずに、そのまま食べる場合は、少し味を薄めにしましょう。
すき焼きをほぼ食べ終わったら、具材と煮汁が完全になくなる前に、あらかじめ火を通しておいたうどんか、炊いたご飯を入れるのもオススメです。