「うなぎの蒲焼」関西風と関東風の違いとは?

2019-06-04 その他

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日本人が大好きな「うなぎ」。1,500年前から食べられていた可能性があり、奈良時代の和歌にも登場します。スタミナのつく食品として、古くから愛され続けてる日本の食文化です。一般的に、日常的な食事で食べることはなく、高級な「ごちそう」です。

家庭で、生のうなぎを調理することは、滅多にありません。スーパーや魚屋さんなどで「蒲焼き(かばやき)」や「白焼き(しらやき)」と呼ばれる調理品を購入します。

レストランなどでも食べられますが、専門店がたくさんあります。専門店ののれんや看板には、ひらがなで「うなぎ」と書かれ、「う」の字が、うなぎのイラストになっています。

うなぎの食べ方

一般的な調理法は白焼きと蒲焼きです。うなぎを裂いて中骨を取り除き、串を刺して焼いたものを白焼きといいます。白焼きに、醤油やみりんなどを混ぜた甘辛いタレをつけて焼いたものが蒲焼きです。蒲焼きを、丼に盛ったご飯の上に乗せたものは「鰻丼(うなどん)」、重箱に盛ったご飯の上に乗せたものは「鰻重(うなじゅう)」と呼ばれます。

ほかにも、蒲焼きをダシで溶いた卵で巻いて焼いた「う巻き」、細く切った蒲焼きにきゅうりを和えて酢の物にした「うざく」など、さまざまな調理法があります。また一食の蒲焼きを「そのまま食べる・薬味をつけて食べる・だしをかけて食べる」と3つの食べ方で楽しむ「ひつまぶし」という名古屋の食べ方も有名です。

関東と関西で異なる蒲焼き

蒲焼きには、主に、関東風と関西風があります。見た目はほぼ同じですが、調理法が異なります。食べ比べると、味や食感の違いに驚きます。なぜこのような違いが生じたのか、どこが違うのか、みていきましょう。

蒲焼きの由来

室町時代の文献には、すでに蒲焼きが登場します。当時は、うなぎを丸ごと串に刺し、焼いて食べていました。その姿が「蒲(がま)」の穂に似ていたことから、「がまやき」、それが転じて「かばやき」と呼ばれるようになったといわれています。

そして江戸時代になると、うなぎを裂いてから調理するようになり、関東と関西の違いが生じていったと考えられています。

関東:背開き&蒸す

関東風の焼き方を「江戸焼き(えどやき)」といいます。

江戸には侍(さむらい)がたくさん住んでいて「切腹を連想させるもの」を嫌ったため、背中側を裂くようなったと言います。

また江戸では、素早く料理が提供されることを好む傾向にありました。そのため、白焼きを蒸したものを用意し、注文が入ったら短い焼き時間で提供するようにした、という説もあります。

蒸してあることから、ふっくら&さっぱりした味わいが楽しめます。

関西:腹開き&蒸さない

関西風の焼き方を「地焼き(じやき)」といいます。

関西は商人がたくさん住んでいて「腹を割って話すこと」を好んだため、腹側を裂くようになったといいます。

また白焼きは蒸さずに、そのままタレをつけて焼きます。地焼きされたうなぎはごはんに乗せ、うなぎの上からさらにご飯を重ねます。焼く技術の高さと、ご飯で蒸すことから、うなぎが柔らかく仕上がるのです。

カリっとした食感と、うなぎの脂の旨味を楽しめます。

うなぎを食べると夏バテしない?

うなぎは1年中食べられますが、特に「土用の丑の日にうなぎを食べると、夏バテしない」といわれます。江戸時代、平賀源内が作ったキャッチコピーで広まったようです。

確かに、うなぎは食欲増進や疲労回復に効果があるといわれ、夏バテ対策にピッタリです。

土用の丑の日は、中国由来の暦によって決まります。2019年の土用の丑の日は、7月27日。うなぎを食べて、日本の猛暑を乗り切ってみませんか?


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