【賃貸契約の流れ】物件探しから入居までの7ステップ

2019-06-03 暮らす

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日本に住む外国人の数が増えているとはいえ、不動産情報は日本語中心で入居審査も厳しいのが現状です。日本で家を借りるためにはおおまかに7つのステップがあります。外国人の方がスムーズに賃貸物件を探すために知っておきたい「賃貸契約の流れ」をご紹介します。

ステップ1:物件について検討する

予算

家賃は管理費・共益費など含めて、月収の3分の1以下が相場と言われています。手取りが20万の人は6~7万円程度に抑える必要があります。
家賃だけ見ると予算内に収まっていても、管理費・共益費を入れると予算オーバーしてしまうことがありますので注意が必要です。自分の手取りと、食費・光熱費など生活に必ず必要な費用を把握して、家賃の設定を行いましょう。
また審査会社によって基準が違いますが、一般的に入居審査は月収の3分の1以下を基準に行われます。

立地

勤務先や学校から通いやすい沿線・駅を把握します。乗り換えの多い路線や駅・急行が停まる駅は家賃が高くなる傾向にあります。
最寄り駅まで近いほど家賃が高くなるので、徒歩何分まで許容範囲か考えておきましょう。また家賃を気にして勤務先や学校から離れ過ぎてしまったり、最寄り駅からバスを利用してしまったりすると、かえって割高になってしまう場合がありますので、気をつけましょう。なお不動産の徒歩表示は、道のり80mを1分と換算して計算しています。

間取り

一人暮らしの場合、1R・1K・1DKといった間取りが人気です。1Rは部屋とキッチンが区別されていない間取りをいいます。1Kは部屋とキッチンの間に仕切りがあり、区別されています。1DKとは1Kよりもキッチンが広い間取りのことをいいます。
キッチンは4.5帖~8帖のスペースがあり、ダイニングテーブルを置いて食事をすることができます。
バスとトイレが一緒になったタイプは賃料が下がり、バスとトイレが別々、また洗面台が独立すると家賃が上がる傾向にあります。

階数

1階は防犯上の理由から安く、階数が上がるほど家賃が高い傾向にあります。ただし古いマンションの場合、エレベーターがない場合もあります。どの程度の階数が許容範囲か考えておきましょう。

収納スペース

洋服などの収納スペースがどの程度必要か、考えておきましょう。収納スペースがなかったら、クローゼットなど準備しなくてはいけません。

なお、以下は日本での生活に慣れた方が、次の部屋探しで考慮するとよりよい項目です。

日当たり

南向きは日当たりが良く家賃が高く、西は夕方の日差しが強かったり、北は日当たりが悪かったりするので家賃が下がる傾向にあります。夜しかいない場合はあまり気にならないかもしれませんが、日中も過ごすとなると、日当たりが悪い部屋は、電気をつけたり、寒ければ暖房をつける時間が長くなってしまったりするかもしれません。自分の生活スタイルから選びましょう。

築年数

築年数が新しい物件は家賃が高いです。最近は築年数が古くても、リノベーションを行っていて。新しい設備がついている物件もあります。

防音

木造は防音性が低く、鉄筋コンクリートは防音性が高い傾向にあります。夜遅い時間に活動する、大きな音で音楽を聞く方は、防音性の高い物件を視野にいれましょう。

ライフスタイル

仕事や学校以外の時間をどう過ごしたいか、考えてみましょう。自炊を行うなら近くにスーパーがあるか、フィットネスクラブに通うなら最寄り駅にあるか、なども家を選ぶポイントとなります。
また外国人の方の場合、各国のコミュニティなどがあるエリアがあると思いますので、そちらも視野に入れると日本での生活が充実するかもしれません。

ステップ2:物件を探す

賃貸情報サイトで物件を探す

賃貸検索サイトを使って物件を探します。
GoogleやYahoo!で賃貸+住みたいエリアを入力するといくつかの賃貸検索サイトが表示されます。賃貸検索サイトによって異なりますが、賃料、住みたいエリア(路線)、間取り、駅からの徒歩など入力する項目があります。前回の記事「物件の選び方」で考えた自分なりの希望条件を入力してみましょう。細かく設定しすぎると該当する物件が少なくなってしまいます。優先したい希望条件を2~3項目までにして幅を持たせた検索をしましょう。

気になった物件が出てきたら不動産会社に問い合わせをしてみましょう。すでに申し込みが入っている可能性もありますので、いくつか候補を見つけておくと効率良く探すことができます。

不動産会社へ行く

賃貸検索サイトで探してから不動産へ行く方法の他に、直接不動産会社に行く方法もあります。賃貸検索サイトを探す時と同じように、賃料、住みたいエリア(路線)、間取り、駅からの徒歩等を聞かれますので、自分なりの希望条件を考えておきましょう。

希望条件を伝えると賃貸検索サイトにまだ掲載されていない新着物件や、おすすめの物件を紹介してくれることがあります。前もって電話で予約しておくと待ち時間も少なく、当日内見もできる可能性があります。

ステップ3:内見をする

不動産会社へ行き、候補が絞れたら実際に内見(実際に部屋を見てみること)へ行きましょう。内見に行ったら自分の希望条件とかけ離れていないかチェックしましょう。家に帰ってから検討したい人は、携帯などで写真を撮って記録しておきましょう。

引っ越しシーズンや人気の物件はすぐに埋まってしまう可能性があります。お気に入り物件が見つかったらすぐに申し込みたい場合は、入居申し込みに必要な書類(源泉徴収票)・印鑑などを準備しておきましょう。

ステップ4:申し込み~入居審査を受ける

内見をして気に入った物件が見つかったら契約をします。「入居申込書」に住所・氏名・勤務先・年収・勤続年数などの必要項目を記入し、正式に申し込みを行います。

入居審査には、契約者本人の収入証明(源泉徴収票など)、連帯保証人の収入証明(源泉徴収票など)が必要になります。契約会社によって条件が違いますので確認しましょう。

連帯保証人とは?

契約者本人が病気など何らかの事情で家賃を支払えなくなった時、支払いを肩代わりする人のことを「保証人」と言います。一般的に両親・親族が保証人になることが多いです。外国人で頼める家族が日本にいない場合は、勤務先の会社や、支払い能力がある人が必要となります。最近では連帯保証人ではなく、お金を払って保証をしてくれる「保証会社」を利用するケースも多くなってきています。

ステップ5:重要事項説明を受ける

審査に通過すると重要事項説明を受けます。重要事項説明とは、物件の説明や取引の中でも特に重要な事柄を確認する大事なもので、退去時の条件にクリーニング代やカギ交換代等、契約者が負担する内容が盛り込まれていることがあります。後からトラブルにならないためにも不明点はサイン前に確認しましょう。英語対応できない不動産会社の場合で日本語が不安な人は、知人の日本人に同席してもらうと安心です。重要事項説明に問題なければ、契約の手続きをします。

ステップ6:初期費用を支払う

敷金、礼金、前家賃や仲介手数料など、契約に必要なまとまった金額を支払います。
契約する不動産会社によって支払いのタイミングはさまざまですが、一般的に契約前に支払いを求められます。

ステップ7:物件の引渡しを受ける(物件の鍵を受領する)

契約の手続きと初期費用の支払いが完了すると、残すは物件の引渡です。原則契約の当日に鍵を受け取り、部屋への入室(引越)ができるようになります。入居日までに、事前に準備できることはしておきましょう。


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