家紋とは?歴史とデザイン
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日本では、ほとんどの家に「家紋」があります。一般的に、先祖代々大切に受け継がれていくものです。
シンプルでありながらクールなデザインは、海外でも高い人気を誇ります。ルイヴィトンのモノグラムが家紋をモチーフにしていることでも有名になりました。
そこで今回は、家紋の歴史や図柄について紹介したいと思います。
コンテンツ
家紋とは?
日本独自の文化で、家や家系、地位や身分を示すものとして使用します。個人が受け継ぐヨーロッパの紋章とは異なり、家紋は家が受け継いでいきます。
家紋を決める方法には法律がありません。どこかに登録する必要もなく、新たに作ることもできるため、実際にどれだけ種類があるかは分かりません。5万個を超えるという人もいます。植物を題材にしたものが多い傾向にありますが、動物や自然から身のまわりの品まで、ありとあらゆるものが題材に使われています。
結婚式やお葬式、格式の高い行事などで使われることが多く、家紋入りの礼服を着ることもあります。表札や瓦などに家紋をあしらったり、墓石に家紋を彫ったりします。
残念ながら「自分の家の象徴」という意味では、最近あまり見かけなくりました。しかしそのデザイン性の高さから、粋とされる家紋をあしらった浴衣やてぬぐい、人気の高い家紋を刻んだグラスやスマホカバーといった商品をよく見かけます。特に戦国武将の家紋は人気が高いようです。
また企業などのロゴマークに家紋そのものや、家紋をアレンジしたデザインを採用する方もいます。
家紋の歴史
家紋の歴史は古く、平安時代には、貴族が調度品や牛車に文様を描き、自分の所有物であることを示した記録があります。
鎌倉時代になると、武士が敵味方を区別したり武勲を示したりするため、旗や武具に家紋を入れるようになります。家紋を自分で決めることはできず、敵から奪い取るか、功績をあげ褒美として贈られる必要がありました。そのため優れた武将の家には家紋が複数あったといいます。
江戸時代になり戦がなくなると、家紋は身分や格式を示すものに変化します。大名家では、ありとあらゆる調度品や衣類に家紋がつけられました。大名の家紋をまとめた書物まであり、身分を判断する手段として利用されていたのです。
また当時、一般庶民は苗字を使うことが禁止されていましたが、家紋は自由に使うことができました。識字率が低かった庶民にとって「家」をあらわす家紋は、便利なだけでなく使いやすかったに違いありません。さらに元禄になると、歌舞伎役者や芸者の間で家紋をつけることが流行り、浮世絵で拡散され、一気に広がったのです。
家紋のデザイン
戦国時代の家紋には、誰が味方で誰が敵か、誰が手柄を立てているのか、遠くからひとめで分かる必要がありました。そのため家紋は実用的である必要があり、シンプルで大胆なデザインのものが好まれたのでしょう。
そして庶民に広まった際は、家庭の数だけ、ありとあらゆる物が図案化されます。丸など、幾つかの図形を組み合わせたり、向きを変えたり、家紋のデザインは無数に増えていったのです。
花紋:花の模様
植物紋:稲や樹木などの模様
動物紋:虫や鳥など生き物の模様
天然紋:雲や月、波や山などの模様
文様紋:幾何学的な模様
尚武紋:剣や弓など、武道や軍事に関する模様
調度紋:日用品や家具をはじめ、身のまわりのありとあらゆる模様
家紋を体験?
「綾鷹(あやたか)」という緑茶飲料のサイトに、「KAMONジェネレーター」というコンテンツがあります。日本語サイトですが、簡単に操作できるので、試してみると、家紋が身近なものに感じるかもしれません。
- サイトにアクセス
https://www.ayataka.jp/fun/kamon/ - ひらがなで名前と生年月日を入力し、ボタンをクリック
- 診断結果が表示される