甘酒を「飲む点滴」という理由は?種類と栄養・効果
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甘酒(あまざけ)は、日本の伝統的な飲み物です。古墳時代から飲まれ続けていますが、健康や美容によいことから、ここ数年、改めて注目を集めています。そこで今回は、甘酒の魅力とおすすめのレシピなどをご紹介します。
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甘酒とは
米麹(こめこうじ)もしくは酒粕(さけかす)などから作られる白く濁った発酵飲料です。名前に「酒(さけ)」とつきますが、ほとんどの商品が清涼飲料水に分類されます。市販されている商品には、そのまま飲むストレートタイプと、お湯などに溶かして飲むタイプがあるので、よく注意しましょう。
正月に神社などで振る舞われることから、冬のイメージが強いようです。温かい甘酒に、生姜を加えて飲むと、ポカポカと温まります。しかし江戸時代には、夏バテ対策の滋養強壮として好まれたといいます。暑いなか、甘酒を売り歩く商人の姿は、夏の風物詩でした。
甘酒の種類
甘酒には主に、米麹で作られたものと、酒粕で作られたものの2種類があります。
米麹甘酒
米麹とは、蒸した米に麹菌を繁殖させたものです。米麹甘酒は、蒸した米に米麹を加え、発酵させて作ります。麹菌が発酵することによって、米のデンプンがブドウ糖やオリゴ糖に変化するため、自然な甘みがあります。アルコールが入っていないので、妊婦や子ども、ドライバーも安心して飲むことができます。
酒粕甘酒
酒粕は、米麹に酵母菌を加えて発酵させた「もろみ」から生まれます。もろみを絞ると日本酒となり、しぼりかすとして残ったものが酒粕となります。酒粕甘酒は、酒粕をお湯で溶いて作ります。濃厚でコクのある味わいですが、甘みがないので、砂糖などで甘みを加える必要があります。家庭でも簡単に作ることができます。
酒粕には約8%のアルコールが含まれます。甘酒にすると、アルコール度数は減りますが、わずかに残る場合もあります。日本ではアルコール1%未満の場合、清涼飲料水として販売されるため、清涼飲料水として販売されている酒粕甘酒には、アルコールが含まれている可能性があります。甘酒を飲むときは、必ず原材料を確認しましょう。
飲む点滴
甘酒には一般的に、必須アミノ酸、新陳代謝を促すビタミンB群を中心としたビタミン類など、体調管理や健康維持、美容促進に欠かせない豊富な栄養素が含まれます。さらに、麹菌の働きにより、体内に効率よく負担をかけずに吸収消化されます。食欲が落ちる夏には、朝食がわりにピッタリな飲料です。特に米麹甘酒は、「飲む点滴」と呼ばれることもあります。
疲労回復&冷え対策
米麹甘酒には脳のエネルギー源となるブドウ糖が含まれます。吸収が早く、効率よくエネルギーになるので、疲労回復には欠かせません。エネルギーとして消費するとき熱が発生するので、冷え対策にもなります。
赤ちゃんでも安心!お腹の調子を整える
米麹甘酒には、善玉菌のえさとなる食物繊維やオリゴ糖が含まれています。また酵素が消化吸収も助けます。栄養バランスがよく、米麹甘酒ならアルコールも入っていないので、砂糖の代用品として離乳食にも使えます。
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甘酒おすすめレシピ
甘酒は飲むだけでなく、甘さと旨味をもつ調味料として料理にも活用できます。
お菓子やスイーツ
スコーンやマフィンなど、焼き菓子の材料に甘酒を使うと、優しい甘さになります。ヨーグルトや豆乳などにもよくあいます。小さくカットした果物と甘酒をミキサーにかけてスムージーにしたり、砂糖のかわりに甘酒でジャムを作ったり、フルーツとあわせるのもオススメです 。
肉料理・魚料理・煮込み
そのまま飲めるストレートタイプではなく、薄めて使う原液タイプを使います。肉や魚を、甘酒に半日ほど漬けてから調理すると、しっとりと柔らかくおいしくなります。また野菜を漬けておけば、漬け物になります。
飲みすぎ注意
どんなにカラダによい食品でも、飲みすぎには注意が必要です。
商品により異なりますが、一般的に甘酒には、100mLに含まれる糖質が17.9g、81kcalあります。コカ・コーラで、100mLに含まれる糖質が11.3g、45kcalであることを考えると、甘酒は糖質もカロリーも高いことが分かると思います。1日1杯までにしましょう。
また、米麹甘酒に含まれるブドウ糖は、飲むとすぐに血糖値があがるため、糖尿病のかたは注意が必要です。
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