日本人とのコミュニケーションにおいて大切なポイント

2020-11-25 その他

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「先生…首…なくなりますよ」とクラスの学生から心配そうに言われたことがあります。一瞬「教師をクビになる」という意味かと思いドキッとしましたが、どうやらその学生は、授業中に何度も私がうなずく姿を見て心配してくれていたようです。

初めまして。東京・新宿区にある日本語学校で教員をしているヒロと言います。日本語教師として色々な国の日本語学習者と交流していると、自分の中の「普通」が相手には全然普通に伝わらないことがあり、改めて自分の振る舞いを考えさせられることがあります。

この記事では、外国人の皆様に、日本人とのコミュニケーションにおいて知っておいていただきたいポイントについてお話したいと思います。

教室がさながらライブ会場

日本人、とりわけ日本語教師は、学生へのフィードバックとして、うなずきや相槌で気持ちを表現することがあります。期待以上の答えが返ってきたときには、「うんうんうん」と何度もうなずき、共感やしっかり聞いているということをアピールします。しかしながら、他国の学生には過剰な反応に見えることもしばしばあるようです。

学生と過ごす時間が長くなってくると、毎年、私のうなずきを誇張して真似する学生が出てきて、ヘッドバンキングのように頭を振り「反応」を表してくれるようになります。数年前にはそれがクラス全体に波及し、教室がさながらライブ会場のようになったこともありました。生徒が教師の真似をするというのは、どの文化でも同じなのでしょうね。

「聞いているよ」とメッセージ

相手の言いたいことをしっかりと理解するために、国によっては相手の目をじっと見て話を聞く慣習があります。そういった国の学生を相手に授業をすると、反応が薄いなと感じることが多いです。心配で逐一確認を取ってみますが、驚くことにほとんど内容を理解できています。

しかし反応がないまま進んでいくと「冷たい印象」を与えてしまう可能性があります。必ずしも賛同していなければならないわけではありませんが、「聞いているよ」というメッセージを送ることは大切です。生徒の皆には、やや大げさに反応してあげることで日本人とのコミュニケーションや関係性は円滑になる場合が多いよ、と伝えています。

あまり反応を見せない国の学習者からすると、日本語で返答するだけでも大変な上、そこに動作も追加しなければならないとなると負担もかなり増すと思います。しかしながら、誤解や悪印象を与えないためにも、日々意識することをおすすめします。まずは日本人の真似から始めてみるといいかもしれません。

「距離感」と「共感」

少し難しい話になりますが、日本語の会話においては「距離感」と「共感」が非常に重要になると思います。

まず「距離感」ですが、これは敬語表現や語彙の使い分けで表すことができます。よく使われる例え話ですが、「恋人が突然敬語になったら、それは怒っている証」と表されるように、敬語表現は「距離感」を相手に伝えます。この「距離感」は感覚的なもので、「2人が出会ってからこれくらい経過したら敬語をやめましょう」といった指標はありません。この点は日本語学習者が日本人とコミュニケーションを取る上で一番難しいポイントになるかと思います。人と人が関わる問題ですので、教科書やマニュアル通りに上手くいくことはありません。TRY&ERRORで少しずつ関係性を良くしていきましょう。

一方「共感(うなずきや相づち)」は前述の通り、相手に「ちゃんと聞いているよ」というメッセージを与えます。自分が話したい内容や抱えている問題についてしっかり考えてくれる人が目の前にいる、という安心感も与えます。

最近では、最新の心理学であるNLP(Neuro Linguistics Programing)の認知も拡がってきました。この学問では、相手と良好な関係を保つために傾聴したり、相槌をうったりすることは大切なコミュニケーションスキルであると述べています。また、共感をテーマにした題材が日本語の教科書で扱われているという事実もあります。

以前に比べ、様々なシーンにおいて人となりやキャラクターが重要視される現代において、このような非言語コミュニケーションを学ぶことも、日本語上達の一つの方法かもしれません。ただし何事もやりすぎには注意してください。私のように、生徒に首の心配をされない程度に。

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この記事を書いた人 東京中央日本語学院

プロフィール

1988年設立のTCJは、日本語教育を通じて「異文化コミュニケーション」に取り組んでまいりました。現在約830名の学生が在籍しています(2020年2月現在)。常に30~40の国や地域から生徒が集まり、日常的に国際交流が行われる場となっています。大学進学、就職などで日本有数の実績があります。日本語教師養成講座を併設している数少ない日本語学校であり、多数の日本語教師を世の中に輩出しています。経験があり質の高い日本語教師が多数在籍している日本語学校です。
【認定・指定】
法務省入国管理局認定優良校
財団法人日本語教育振興協会認定校


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