浴衣とは?特徴や着方、着物との違いを解説
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「着物(きもの)」は、日本の民族衣装です。着物にはさまざまな種類があり、それぞれ格があります。例えば、結婚式の「打掛(うちかけ)」は、特別な日に着る礼装です。逆に、最もカジュアルな着物は「浴衣(ゆかた)」です。夏になると、花火大会や夏祭りで、浴衣を着た人をよく見かけます。
今回は浴衣について紹介しましょう。「着物の種類と特徴」も参考にしてみてくださいね。
コンテンツ
浴衣は寝間着?
浴衣は、飛鳥時代の「湯帳(ゆちょう)」や平安時代の「湯帷子(ゆかたびら)」が原型といわれます。これは、貴族が蒸し風呂に入る際に、水蒸気で火傷しないように着ていた麻の着物です。江戸時代になると、銭湯と木綿が普及し、バスローブのように入浴後に着るようになりました。その後、洋服が浸透するまでは、寝間着としても使われていました。現在は、湯上り用の浴衣と外出用の浴衣がよく利用されます。
湯上り用の浴衣
ホテルや温泉旅館が貸し出しているのは、湯上り用の浴衣です。旅館浴衣ともいいます。旅館内で移動する際の部屋着や、寝間着として使います。生地が薄くて柔らかく、細い帯を結ぶだけなので、自分で簡単に着ることができます。値段も安く、お土産や自宅用として購入する人もいます。
男性の着方
女性の着方
外出用の浴衣
花火大会や夏祭りでよく見かけるのは、外出用の浴衣です。はっきりとあざやかな、図柄や色が使われています。自分で着ることもできますが、難しいかもしれません。浴衣をレンタルする場合は、着付け(きつけ:着物を着せてもらうこと)をお願いしましょう。
男性の着方
女性の着方
浴衣と着物の違い
浴衣は、浴衣以外の着物と何が違うのでしょうか。
いつ、どこで着る?
湯上り用の浴衣は着る季節を選びません。基本的に外出時に着ることはありません。
外出用の浴衣は、夏(6月~8月)限定です。花火大会・夏祭り・手軽な食事など、カジュアルなシーンに限って着ることができます。
着物は、季節にあった生地・仕立て・柄などを選んで着ます。礼装用・外出用・普段着用など、用途が細かく分かれていて、着物ごとに着ることができる場面や場所が限られています。
素材は?
浴衣は、暑い夏に着るため、薄く通気性のよい綿・麻・綿と麻の混合生地がよく利用されます。裏地はありません。最近では、発色がよく吸水性と速乾性の高いポリエステル製の浴衣もよくみかけます。
着物には、絹・綿・ウールなどがよく利用されます。生地の染め方・織り方・柄などによって格が決まるため、それぞれ用途にルールがあります。
着方や装飾品
浴衣と着物の一番大きな違いは、長襦袢(ながじゅばん)の有無です。長襦袢は、肌襦袢(はだじゅばん:着物用の下着)と着物の間に着るものです。着物が汚れないように着るインナーで、襟元や袖から少し見えます。長襦袢の襟には「半襟(はんえり)」という小さな布を縫い付けて汚れを防ぎます。汚れたら取り替えて、長襦袢を大切に使うためのものですが、襟元のおしゃれを楽しめる小物でもあります。
浴衣の場合は、肌襦袢か下着を着てから、着物を着ます。長襦袢は着ません。履物は、はだしで下駄(げた:普段用の履物)を履きます。
着物の場合は、足袋(たび:着物用の靴下)をはいてから、肌襦袢・長襦袢・着物の順番に着ます。履物は、草履(ぞうり:格の高い履物)などを履きます。
着物と浴衣では、帯の結び方も違います。
浴衣の帯は、着物で使う帯より細く短く、結びやすくなっています。
着物の帯は太く長く、着物や用途によって、使うべき帯も結び方も違います。また帯揚げ(おびあげ)・帯締め(おびじめ)・帯留め(おびどめ)といった小物も使います。
まとめ
浴衣も着物のひとつです。もし「着物に挑戦してみたい」と思ったら、ぜひ夏に、浴衣から挑戦してみてはいかがでしょうか。レンタル店で借りれば、さまざまな柄に挑戦できますし、着付けもしてもらえます。