【外国人向け】日本の面接でよくある質問と回答例
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日本における企業や仕事の文化は独自の進化をとげました。初めて日本で働くかたは、働き方やキャリアの積み方など、日本独特の慣習に戸惑うことも多いでしょう。もちろん時代とともに、日本の企業文化もどんどん変化しています。外国人を中心に構成している職場では、他国の企業文化が採用されているかもしれません。しかし就職活動を行う際は、日本独自の企業文化を理解したうえで、のぞむとよいでしょう。
今回は、日本企業の採用面接でよく問われる質問をご紹介します。
コンテンツ
面接の流れ
日本の面接は、経験やスキルだけでなく、コミュニケーション能力や人間性の確認も兼ねるため、時間が長いといわれます。プライベートな質問や、逆境力をはかる質問も少なくありません。
一般的には、次のような流れで会話が進みます。日本語能力の確認も兼ねていますが、焦る必要はありません。相手の質問を最後まできちんと聞いた後、ゆっくり、丁寧に、わかりやすく、はっきり回答しましょう。
- 自己紹介
- 経験・スキル・転職理由
- 志望動機
- 自己PR
- 逆質問
自己紹介をお願いします
一般的に、最初に求められるのは自己紹介です。氏名・国籍・出身地・学歴・職歴などを、1分程度にまとめます。自己PRではないので、簡潔に、自分について紹介しましょう。
【例】
本日はお時間をいただき、ありがとうございます。
ジョン・スミスと申します。台湾の台北出身です。大学ではデータサイエンスを学びました。小さい頃から日本のテレビ番組を見て育ち、ずっと日本で暮らしたいと考えていましたので、大学卒業後に日本語学校で日本語を学び、〇〇株式会社に入社しました。制作オペレーターとして3年ほど営業サポート業務を行いました。データの収集・解析も業務の一部でしたが、よりデータ活用に特化した仕事に就きたいと思っています。本日は、よろしくお願いします。
なぜ日本に来たのですか?
なぜ日本で働こうと思ったのですか?
自己紹介に加えて、よく聞かれる質問です。「日本が好きだから」「日本語を学びたいから」では答えになりません。
なぜ他の国ではなく、日本を選んだのか。きっかけや理由と、自分の学んできたことや経験などを思い起こし、簡潔に、まとめておきましょう。
経験・スキル・転職理由を教えてください
職歴がある場合は、「どんな目標に、どう考え、どう行動し、どんな成果をあげたのか。その経験を志望する仕事にどう活かせると思うのか。」答えるとよいでしょう。職歴がない場合は、学生時代に学んだことや取り組んだこと、アルバイトで得た経験などのなかで、志望する仕事に活かせることを探すとよいでしょう。
転職理由を尋ねられた場合、嘘をつくのはやめましょう。しかし人間関係など、新しい職場でも起こりうる問題を、不満や愚痴として伝えるのは、よくありません。「すぐ辞めてしまうかもしれない」と評価がさがる可能性があります。単なる不満や愚痴は「言わない」というのもひとつの選択肢です。可能であればポジティブな動機で回答しましょう。
志望動機を教えてください
求人に応募する際は、雇用条件だけで選んではいけません。求人情報だけでなく、企業の公式サイトなどで事業内容もしっかり調べましょう。自分の経験やスキルを分析し、応募先の事業内容・業務内容・職務内容がマッチするか、よく考えてから応募することが大切です。
応募先の情報をしっかり調べておけば、なぜ応募したのか、理由は自然と思い浮かぶはずです。なぜその企業なのか、なぜ他の企業ではないのか。なぜその仕事なのか、なぜ他の仕事ではないのか。自分の希望とマッチする点を、簡潔にまとめて回答しましょう。
自己PRをお願いします
自分を採用するメリットについて、経験やスキルをまじえて説明します。この項目も、応募先の事業内容・業務内容・職務内容をしっかり調べ、自分の経験やスキルとマッチするか考えてあれば、自然とアピールできると思います。前職で達成した経験などをアピールする場合は、可能であれば数字もそえて伝えましょう。
日本に来て最も困難だった経験は何ですか?
問題が生じたとき、どのように解決するのか、判断するためによく聞かれる質問です。苦労した事柄だけを伝えるのではなく、どのように乗り越えたか、伝えましょう。
逆質問(何か質問はありますか?)
応募者から企業に対し質問を行います。
雇用条件の確認でも問題はありません。しかし雇用条件の確認だけでは「仕事を雇用条件だけで選ぶ人=よりよい条件を求めてすぐ辞めてしまう人」という印象を与える可能性があります。職場の雰囲気や「今回採用する人に何を期待しているか」など、自分が気になる質問を加えるとよいでしょう。
まとめ
面接の日時が決まったら、事前に質問を想定し、声に出して、練習しておきましょう。日本人の友人がいるのであれば、聞いてもらうとよいと思います。
面接が終わったら「本日はありがとうございました」とお礼を伝えてから退室しましょう。
また日本企業の面接では、コミュニケーション能力や人間性も重視されます。服装やマナーにも注意しましょう。特に指定がない限り、黒またはネイビーのスーツに、白い無地のシャツなどを着用するとよいでしょう。髪型など身だしなみを整えることも重要です。
対面の場合は、30分前に到着し、10分前に受付しましょう。オンラインの場合は、30分前までに機器が正常に利用できるか確認し、5分前を目途にログインするとよいでしょう。