歌舞伎「一幕見席」とは?価格、メリット・デメリット

2019-08-06 遊ぶ

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歌舞伎を見たことがありますか?歌舞伎は、江戸時代から続く日本独自の演劇で、ユネスコ無形文化遺産に選ばれています。映画館やDVDでも見ることができますが、やはり一度は劇場で鑑賞したいものです。

歌舞伎はいつでも鑑賞することができます。東京では、ほぼ一年中いつでも公演がありますし、大阪・京都・博多などでも定期公演があります。また、夏~秋には全国各地で巡業公演があります。東京の歌舞伎座や大阪の松竹座には「一幕見席(ひとまくみせき)」というチケットがあり、安い値段で一幕だけ見ることもできます。

今回は、気軽に歌舞伎を楽しむことができる一幕見席についてご紹介しましょう。

一幕見席とは

歌舞伎は、同じ公演を約25日、繰り返し上演します。1日は、昼の部と夜の部、もしくは第1部~第3部などに区切られ、それぞれ違う内容が上演されます。

さらに1つの公演は、1つの演目もしくは2~3の演目の組み合わせとなっています。途中、幕間(まくあい)と呼ばれる休憩時間も含まれているため、1回の公演時間は非常に長くなります。例えば、歌舞伎座の昼夜2回公演の場合、それぞれ約3時間30分ぐらいかかります。

一幕見席は、1つの公演をすべて見るのではなく、1つの演目だけを鑑賞するためのチケットです。予約はできず、当日券の販売となります。一幕見席は4階にあり、椅子席90席と立見席60席があります。例えばその公演が3つの幕に分かれる場合、1つの幕だけを購入することもできますし、3幕すべて購入することもできます。

価格

歌舞伎のチケット代は、通常、4,000円~20,000円程度かかります。幕見席の値段は、公演ごとに異なりますが、数百円から2,000円程度のものが多いようです。

例えばその公演が3つの幕に分かれる場合、3幕すべて一幕見席チケットを購入すると、その公演で一番安い通常のチケット代金になるように設定されています。

メリット

  • 歌舞伎がどんなものか、安い値段で気軽に試せる
  • 長時間の観劇が苦手な人でも楽しめる
  • 好きな演目だけを選んで見ることができる
  • 人気が高く、通常のチケットが予約できなかった公演も見ることができる

デメリット

  • 予約できないので、確実に手に入れるためには、並ぶ必要がある
  • その月の公演初日頃までチケット販売情報が分からないので、予定が立てにくい
  • 1つの公演内であれば、複数の幕の一幕見席が購入できるため、人気が高い演目だと二幕目以降の発売予定時刻には、一幕見席が無くなっている可能性もある
  • 自分のチケットしか購入できないので、見る人全員で並ぶ必要がある

購入方法

  1. 毎月公演初日頃、公式サイト上「幕見席のご案内」が掲示されます。発売予定時刻と料金、上演開始時刻を確認し、どれを鑑賞するか決めましょう。
    https://www.kabuki-bito.jp/news/
  2. 歌舞伎座正面左側に、チケット販売窓口があります。確実に購入するためには、基本的に並んで待たなければなりません。どのぐらい前から並ぶべきかは、土日か平日か、人気がある演目か否かなどによります。30分~90分ぐらいを目途にしましょう。係の方に場所が間違っていないか確認してから、列に並びます。
  3. 発売予定時刻になり、自分の順番になったら、窓口でチケットを購入します。一幕だけでなく、複数の幕を続けて観たい場合は、必ず一緒に購入しましょう。チケットには、番号が記載されています。
  4. チケットを購入した後は、少し時間があるので、どこかで待ちましょう。
  5. 上演開始時間の20分前までに、4階幕見入場口に集合します。チケットに書かれた番号順に入場し、座席に座ります。椅子席が埋まっている場合は、立ち見になります。集合時間に遅れると、番号が無効になるので注意しましょう。
  6. 幕が終わったら退場します。複数の一幕見席を購入している場合は、そのまま同じ席で見続けることができます。係の方が確認に来るので、チケットを見せましょう。

覚えておこう

  • 有料ですが、幕見席でも英語版のイヤホンガイドや字幕ガイドが借りられます。ぜひ利用しましょう。
  • 4階は舞台からかなり遠くなります。オペラグラスを必ず持っていきましょう。
  • 歌舞伎座では、一幕見席でも座席で食べ物を食べられます。複数の一幕見席を購入した場合、観劇も長くなるので、時間帯によっては、幕間に食べられるものを持っていきましょう。

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