SNSにソーシャルディスタンス、日本人が使う奇妙な英語「和製英語」

2021-04-02 暮らす

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日本ではさまざまな「和製英語(わせいえいご)」が利用されています。和製英語とは、日本人が英単語を組み合わせたり変形させたりして作った日本独自の言葉です。英語だけでなく、他の言語由来の和製英語もあります。

欧米などのさまざまな言語をそのままカタカナで表記する「外来語」とは異なり、外国の方には意味が通じなかったり誤解されたりします。外来語や和製英語はカタカナで表記するため「カタカナ英語」とも呼ばれます。今回は職場でよく使う和製英語をご紹介しましょう。

本来の英単語とは違う意味で使っている和製英語

SNS

意味:social media / social networking sites
SNSはsocial networking serviceもしくはsocial networking sitesの頭文字をとった略語です。本来は、人とつながるためのFacebookやTwitterなどを指します。しかし日本では解釈を広げ、画像や動画の共有を行うInstagramやYouTubeなども含めたsocial mediaをSNSと呼びます。もともと海外ではめったに使わない略語ですが、日本では一般的に使用されています。

ソーシャルディスタンス

意味:social distancing / physical distancing
本来は、社会学において「心理的な距離感」を指し、特定の個人やグループを排除する意味で使われるそうです。しかし現在の日本では、感染症対策のため「人と人との間に物理的距離を保つ」という意味で使われています。

クレーム

意味:complaint
claimに由来した和製英語だと考えられますが、日本語では「主張・要求」というよりも「苦情・不平」という意味で使われます。また頻繁に苦情を言う人のこともcomplainerではなく「クレーマー」と呼びます。

サービス

意味:service / special / treat / free / freebie
日本語のサービスという言葉には、非常に多くの意味があります。もちろん英語と同じ意味もありますが、人に奉仕すること、お客様をもてなすこと、商売で値引きすること、おまけをつけることなどもサービスといいます。

英語を組み合わせて作った和製英語

アフターサービス

意味:after-sales service / customer support
メーカーや小売店などが、お客様に対して、購入商品の維持・修理などを行うことを指します。

ベースアップ

意味:a pay scale raise / a pay scale increase
個人に対する昇給ではなく、会社に勤める全社員に対する基本給の昇給額・昇給率を指します。おそらく欧米にはない概念なので理解しにくいかもしれません。なお「ベースアップ」を略して「ベア」と呼ぶこともあります。

由来がはっきりしない和製英語

コンセント

意味:outlet / socket
屋内配線から電化製品に電気を送り込むため、壁に設置する電源プラグの差し込む部分のこと。電源プラグと混同して使うことがあり、電源プラグを抜いて欲しいという意味で「コンセントを抜いて」と言うことがあります。

英語を短縮して作った和製英語

パソコン

意味:personal computer
パソコンは、personal computerを略した和製英語です。laptopは、かつて日本でもラップトップと呼ばれていましたが、軽量化にともない「ノートのように開いたり閉じたりできる携帯性の高いパソコン」という意味でノートパソコンと呼ばれることが多くなりました。

ミス

意味:mistake
失敗することを「ミス」と呼びます。mistakeのmisが由来と言われます。他の言葉と組み合わせて使うことも多く、文字を打ち間違うことをタイプミス、注意不足による失敗をケアレスミス、一度も失敗しないことをノーミスと言います。

セクハラ

意味:sexual harassment
セクハラはsexual harassmentを略した和製英語です。power harassment(abuse of authority)は「パワハラ」、moral harassment (emotional abuse / psychological abuse)は「モラハラ」などと略します。

その他

  • アプリ:application
  • アポ:appointment
  • インフレ:Inflation
  • デフレ:deflation
  • ネゴ:negotiation

増え続ける和製英語

和製英語は身のまわりにあふれています。最近では「和製英語ではなく正しい英語を使おう」といった動きもありますが、和製英語は増え続けています。日本人自体、その言葉が和製英語か英語、意識せずに使っている言葉が少なくありません。まわりの日本人の方に「これは和製英語か、英語か?」といったクイズをだして、交流を深めてみてはいかがでしょうか。


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