日本の文化・温泉の正しい入り方と注意事項
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最近、外国人の間でも人気急上昇中なのが温泉。
温泉街や温泉宿の日本情緒あふれる雰囲気が外国人には魅力的に映るようです。
でも、お風呂に入る習慣を持たない外国人からは、温泉に入ってみたいけれど、入り方がよくわからないという声も聞こえてきます。
そこで、今回は、温泉の正しい入り方、温泉でのマナーや注意事項についてまとめてみました。
コンテンツ
そもそも温泉とは?大きな風呂はみんな温泉なの?
そもそも温泉とはなんでしょう?
大浴場があって、大勢の人が一度に入浴できる施設のことと思っている外国人の方もいるようですが、『大きなお風呂=温泉』ではありません。
温泉かどうかは使われているお湯によって決まります。
温泉とは、地中に自然に存在する25度以上の温水、鉱水および水蒸気やガスのこと。
さらに以下の2つの条件のいずれかに当てはまるものだけを温泉といいます。
- 温度が25度以上であること。
- 遊離炭酸、リチウムイオン、水素イオン、フッ素イオンなど20種類近い指定の物質のうち最低でも1種類を規定量以上含んでいること。
湯船の大小に関わらず、温泉と呼ばれる湧き水を使っているお風呂は全て温泉となります。
温泉が外国人にも人気の理由は?
温泉は体を芯から温めてくれるだけでなく、泉質によっては肌から健康に良い有効成分が吸収される効果もあります。
温泉湯治というような治療法が昔から根付いていたのはそのためです。
また、温泉宿や、自然の中の露天風呂など、温泉周りの自然や非日常的な旅行という状況は精神的に人をリラックスさせてくれます。
このように古くから健康にいいといわれてきた温泉ですが、外国人に人気になのはヘルシーであるという理由からだけではありません。
温泉地や温泉宿が、彼らの求める『典型的な日本情緒を感じる場所』に他ならないことも大きな魅力に違いありません。
温泉では、みんなで大きなお風呂に一緒に入るという習慣や畳の部屋、お風呂上がりの浴衣など日本独自の文化に触れることができます。
また、温泉街自体のロケーションが自然に囲まれていたり、日本家屋が多く残っていたり、日本的情緒を感じさせてくれることも人気の理由のようです。
温泉 オススメの入り方
湯船(バスタブ)に浸かる習慣のない国も海外には多く、いざ温泉に行ってもどうすればいいのか戸惑う外国人も多いようですね。
そんな方のために、オススメの入り方をご紹介しましょう。
- 体と髪を洗う
温泉は洗い場と湯船に分かれています。湯船に浸かる前に洗い場で体と髪を洗いましょう。これは湯船のお湯を汚さないためです。 - かけ湯(かぶり湯)
お部屋の内風呂で体を洗ってきたという人でも、湯船に入る前には、必ずかけ湯をしましょう。
かけ湯は、体の汚れを流すためだけのものではありません。
急激な血圧の上昇を防ぐためにも、まずお湯をかけて体を慣らします。
最初は、心臓から離れた足先にお湯をかけます。
その後、ひざ、もも、お腹、両腕、肩という風に、徐々に下からお湯をかけていきます。 - 半身浴
ゆっくりと湯船に入り、最初は半身浴を楽しみましょう。
腰上くらいまでお湯に浸かる方法で、心臓への負担が少ない入浴方法です。
(心臓に不安のある方は半身浴だけにしておきましょう) - 全身浴
半身浴した後、ゆっくりと肩までお湯に浸かります。
長湯をせずに、顔が汗ばんできたのを感じたらお湯から上がりましょう。 - かけ湯(あがり湯・かかり湯)
有効成分を肌に残したまま、かけ湯をせずにあがった方がよい温泉もありますが、刺激の強い泉質の温泉の場合は、湯船から上がったらかけ湯やシャワーで温泉を軽く洗い流しましょう。
心がけたい温泉でのマナー&注意事項
たくさんの人が一緒に使う温泉ですから、みんなが気持ちよく入れるよう、マナーやルールを守ることを心がけましょう。
また、健康に良いと言われている温泉ですが、入り方によっては、のぼせやめまい、脱水症状などを引き起こすこともあります。
せっかくの温泉を存分に楽しむためにも、注意事項は必ず守ってくださいね。
- お風呂に入る時間は食べる直前、直後は避けましょう。
- お酒を飲んだ後の入浴は控えましょう。
- 激しい運動の後はしばらく休んでから入浴しましょう。
- 温泉はプールではありません。水着での入浴は禁止です。
- 湯船のお湯が熱いと感じたとしても、勝手に水を入れて温度を下げてはいけません。
- タオルを湯船にはつけてはいけません。
- 髪が長い場合、頭の上でまとめて、髪がお湯に浸からないようにしましょう。
- 濡れた冷たいタオルを頭の上に乗せて湯船に浸かるとのぼせ防止になります。
- 冬の露天風呂に入るときは、頭だけが冷えるのを防ぐため暖かいお湯に浸したタオルを頭の上に乗せましょう。
- のぼせ防止のためには、数回に分けて入浴する分割浴(反復浴)がオススメです。一気に長湯せず「数分入浴したら、湯船からでて数分休憩する」を繰り返しましょう。
- 脱衣場の床を濡らさないように、お風呂から出るときは体の水を拭き取りましょう。
- 風呂上がりには水分補給をしっかりと!
- 温泉から上がった後は、30分〜1時間くらい体を休めましょう。
- 湯あたり防止のため、温泉に入るのは1日に3回までにしましょう。
タトゥー問題とは
日本の温泉は原則として刺青のある人の入浴をお断りしています。
しかし、おしゃれやファッションとしてのタトゥーを入れる人が増えている昨今、「タトゥーが入っている人は入浴できない」というルール自体を見直す動きもあります。
温泉宿によっては、表向き『刺青お断り』となっていても、外国人が問い合わせると受け入れてくれるところもあるようです。
また、大浴場は無理でも、個室に備え付けのプライベート露天風呂や、貸切温泉を利用することはできるでしょう。
気になる方はまずは、宿に問い合わせてみましょう。
温泉宿につきものの浴衣を活用すべし!
外国の方にとっては、温泉宿に備え付けの浴衣を着ることも、温泉の楽しみのひとつでしょう。
下着の上に浴衣を羽織って大浴場に行けば、脱衣所で服の脱ぎ着も楽チンです。
温泉気分を盛り上げるためにもぜひ、浴衣にチャレンジしてみましょう。
浴衣の着方はきものと違ってそう難しくはありません。
浴衣を羽織ったら、背中の縫い目をまず、自分の背骨にあわせます。
その後右手側の裾を体に巻きつけ、その後左手側の裾をその上から巻きつけるようにしましょう。
宿の中で着るだけですし、多少のことは気にせず、前がはだけなければ大丈夫。帯は蝶々結びでも構いません。
温泉ビギナーの外国人へ向けてのアドバイス
最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、何度か入るうちに温泉の虜になる外国人はたくさんいます。
他人と一緒に風呂に入るのが恥ずかしい人には、お部屋にプライベート露天風呂が付いているタイプや、貸切温泉があるタイプの宿を選んでみては?
温泉ビギナーさんもそうでない方も、ぜひ、温泉に出かけてみましょう。
日常とは違う環境で、大きなお風呂にゆったりと浸かり、おいしい料理をいただく!
日本人の活力の源・温泉を満喫してくださいね。