茶道とは?覚えておきたい作法の基本
This post is also available in English
茶道は、長い年月を経て受け継がれている日本の伝統文化です。「茶の湯(ちゃのゆ)」ともいわれます。「おもてなしの心」を学べると、海外からも注目を浴びています。今回は、東京都台東区浅草で茶道体験を提供している「浅草 時代屋(じだいや)」に、茶道について伺いました。
コンテンツ
茶道とは
抹茶を作ることを「点てる(たてる)」といいます。茶道では、伝統的な様式に則りながら、客を招いた亭主(ホスト)が茶を点て振る舞い、招かれた客(ゲスト)がもてなしを受けます。亭主と客には、茶の点て方や飲み方など、それぞれに作法があります。ただ茶を振る舞ったり飲んだりするだけでなく、亭主と客が一緒に、特別な場をつくることを楽しみます。
茶道の作法
茶会(ちゃかい・ちゃのえ)には、茶事(ちゃじ・さじ)と呼ばれる正式なものと、その一部だけを行う略式化されたものがあります。茶事は、少人数を招き、茶だけでなく食事も振る舞われます。それに伴い、多くの作法を身に付ける必要があります。
茶道には、多くの流派があり、作法もそれぞれ異なります。代表的な流派には、「表千家(おもてせんけ)」、「裏千家(うらせんけ)」、「武者小路千家(むしゃのこうじせんけ)」があります。
今回は、裏千家の作法を参考に、客の作法の一部を簡単に紹介します。文章にすると難しく感じますが、実際に体験すると分かりやすいでしょう。以前の記事「東京・浅草で茶道体験をしてみよう」も併せてお読みください。
茶室(ちゃしつ)の入り方・座る位置
茶室とは、茶をもてなすための部屋を指します。
茶室の入り方
- 茶室の入口となるふすまの前で正座し、膝の前に、扇子を横になるように置きます。
- 引手に、引手に近い方の手をかけ、3センチ程度開けます。
- そのまま引き手から手を下にずらし、三分の二程度まで開けます。
- 手を代えて、ふすまを開けきります。
- 茶室の中を確認し、自分が座る場所などを確認します。
先客がいる場合は、正座のまま深く一礼しましょう。 - 握った両手を畳について体を支えながら、正座した姿勢のまま膝で進み、少しずつ茶室に入ります。
- 茶室に入ったら、扇子を持って立ち、畳のへりを踏まないように歩いて席につきましょう。
座る位置
床の間に一番近い席には「正客(しょうきゃく:茶会の進行役)」、一番離れた席には「お詰(おつめ:正客の補佐役)」と呼ばれる、どちらも重要な役割の人が座ります。初心者の場合は、その間の席に座りましょう。
菓子の取り方・食べ方
茶会では菓子が振る舞われます。菓子を食べるときは、懐紙(かいし:懐に入れて携帯する和紙)を皿のように使います。
菓子の取り方
- 菓子が入った器が運ばれたら、正客は亭主に一礼します。
- 器を両手で持ち上げて、次の客との間に置きます。
- 次の客に「お先に」と言い、一礼します。
- 器を膝の前に戻し、亭主に「いただきます」と言い、一礼します。
- 器に添えてある箸で菓子を取り、懐紙の上に置きます。
- 箸の汚れを懐紙の隅で拭き、器に戻します。
- 器を両手で持ち、次の客との間に置きます。
菓子の食べ方
- 菓子がのった懐紙を手の平にのせ、楊枝などで切り分けながら食べます。
- 食べ終わったら、楊枝を挟むように、懐紙を手前から半分に折ります。
自分の袱紗(ふくさ:絹などでできた四角い布)や着物の袖の中に入れ、後で処分しましょう。
茶の飲み方
- 茶が運ばれたら、一礼します。
- 茶碗を右手で持ち上げて、次の客との間に置きます。
- 次の客に「お先に」と言い、一礼します。
- 茶碗を膝の前に戻し、亭主に「お点前(おてまえ)いただきます」と言い、一礼します。
- 右手で茶碗を持ち上げ、左の手の平にのせます。
- 右手を器に添え、茶碗を時計回りに2度回します。
- 茶を飲みきったら、飲み口を指で拭き、指の汚れを懐紙で拭きます。
- 茶碗を反時計回りに2度回し、膝の前に置きます。
茶碗の拝見
飲み終わったら、茶碗の柄などを拝見します。茶碗は貴重な道具の一つです。必ず両手で持ち、低い位置で拝見しましょう。
取材を受けてくださったのは
時代屋
受付:明治館 東京都台東区雷門2-3-5
予約・問い合わせ:03-3843-0890
オンラインから予約可能
https://jidaiya.biz/taikenmono_sado.html