日本のトイレは世界一!?最新トイレ事情
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日本では、温水洗浄便座の一般世帯普及率が80.2%*1もあります。温水洗浄便座の代表的な商品である「ウォシュレット*2」は昨年、累計出荷台数5,000万台を突破しました。今年は、発売40周年を迎えています。そこで今回も、TOTO株式会社広報部の松竹博文(まつたけひろふみ)さんに、TOTOのトイレのトレンドやハイテクトイレについてお話を伺いました。前回の記事「TOTOに聞く!日本のトイレの歴史と発展」もあわせてご覧ください。
*1 2020年3月 内閣府消費動向調査
*2 「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です。
コンテンツ
TOTOのトイレのトレンド
トレンドは、タンクレストイレです。TOTOのタンクレストイレは、3つの「びっくリーン技術(「びっくり」と「クリーン」をあわせた造語)」で、使いやすさ・お掃除のしやすさ・清潔性を追求しています。
https://jp.toto.com/campaign/biclean/index.htm
技術1:使うたび、自動的に除菌
トイレを使用した後、8時間以上使用しない時は、トイレが自動的に「きれい除菌水」を使い、便器を除菌します。目に見えない汚れを分解し、除菌するため、黒ずみや輪じみが生じるのを抑えます。
また、ウォシュレットを使用する前と後には、セルフクリーニング機能でノズルを洗浄します。便器から離れると、「きれい除菌水」を使い、ノズルの外側と内側を洗浄・除菌します。使用していないときも、定期的に「きれい除菌水」を使い、ノズルの外側と内側を洗浄・除菌します。
「きれい除菌水」とは
TOTO独自の技術です。洗剤や薬品を使わず、水から「除菌成分(除菌・分解・漂白)」を持つ水を作ります。時間がたつと、もとの水に戻るため、環境にやさしい技術です。
技術2:汚れをツルッと落とす
セフィオンテクト
便器をコーティングするのではなく、釉薬のうえに特殊なガラス層を作り、約1200℃で焼き上げるTOTO独自の構造です。陶器表面の凸凹がなくなり、ナノレベルでなめらかになります。菌すら入り込めないので、汚れが付きにくく、落としやすくなります。
また、トイレの汚れには、油が含まれています。そのため、撥水性よりも親水性が求められます。セフィオンテクトは親水性が高いため、より汚れが落としやすくなります。
プレミスト
使用前には、自動的に、便器の表面にミストをふきかけ、水の膜を作り、汚れを付きにくくします。
トルネード洗浄
TOTOの特許技術です。渦を巻くような水流が、少ない水で、汚れやすいエリアをしっかり洗浄します。
技術3:おそうじを非常に楽にする
凹凸をそぎ落としたカタチで、便器の内側にも外側にも継ぎ目がないので、楽に掃除することができます。また便座やノズルなど樹脂製の部分には、撥水性のあるクリーン樹脂が使われているので、拭くだけで掃除することができます。
美しすぎるハイテクトイレ「ネオレスト」
ネオレストは、ウォシュレット一体形のタンクレストイレです。日本のグッドデザイン賞だけでなく、海外の著名なデザイン賞である「iFデザイン賞」や「レッドドット・デザイン賞」を受賞しています。1993年に発売された初代「ネオレストEX」は、今年、建築設備技術遺産にも認定されました。
デザインと機能の融合
特に、白磁の壺をイメージした「ネオレストNX」は、360度どこから見ても美しいデザインです。便器のふたは樹脂製ですが、多層塗装することにより、陶器である便器との一体感があります。
ウォシュレット機能も、陶器製の便器のなかに納められています。陶器は焼き上げると13%縮むので、その中にウォシュレットを組み込むことは、非常に難しい技術です。100年以上、蓄積してきた「焼き物」の生産技術や解析技術があるからこそ、実現したデザインといえます。
もちろん節水も考慮され、世界の洗浄水量規制をクリアしています。トルネード洗浄機能では、洗浄水の出口が目立たない位置に変更され、汚れやすい部分に、より勢いよく水が流れるように考慮されています。
https://jp.toto.com/products/toilet/neorest_nx/index.htm
キーワードは「美しさ」
取材を通して、TOTOのトイレのキーワードは「美しさ」だと感じました。機能面は、きれいに使い続けるため、そしておしりをきれいに洗うために進化を続けています。デザイン面も、便器はシンプルに美しくなり、トイレを設置する空間も広く美しくなっています。
いずれもTOTOが蓄積してきた陶器の生産技術と、最先端のテクノロジー、そして「1個の不良でもお客様には100%」というおもてなしの精神の美しさが支えているのでしょう。
取材を受けてくださったのは
TOTO株式会社
広報部 東京広報グループ
松竹 博文様
https://jp.toto.com/