盆踊りとは?歴史と日本3大盆踊り
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お盆が近づくと、公園や幼稚園などから、盆踊りを練習する音が聞こえてきます。盆踊りは、お盆に戻ってきた、先祖や故人の霊を供養する行事です。日本全国いたるところで、さまざまな規模の盆踊りが開催されます。そこで今回は、盆踊りについて、ご紹介しましょう。
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盆踊りとは
霊を供養するとともに、地域の交流を深める場でもあり、こどもからお年寄りまで、だれでも参加することができる夏祭りです。公園や校庭など、広場の中央に「櫓(やぐら:高めの台)」を建て、それを囲むように輪になって、音楽にあわせて踊ります。昔は、笛や太鼓(たいこ)にあわせて踊っていましたが、今では録音された音楽にあわせて踊ることが多くなりました。浴衣を着て踊ることを前提としているので、ゆったりとしたシンプルな振り付けが多く、初めて参加する人でもすぐに踊れるようになります。地域によって踊り方が違う場合がありますが、Youtubeなどで踊り方を確認することもできます。
盆踊りで流れる音楽には、決まったものがありません。炭坑節(たんこうぶし)のような民謡や、東京音頭(とうきょうおんど)のように、盆踊りのために作られた曲などが、よく利用されます。こどもが親しみやすいよう、ドラえもん音頭やアンパンマン音頭、ポケモン音頭など、アニメの曲を使う場合もあります。流行している曲が使われることもあります。
盆踊りの歴史
平安時代に、空也(くうや)という僧侶が、布教のために始めた「踊念仏(おどりねんぶつ)」が原型だといわれます。念仏を唱えながら、鉦(かね)や太鼓などを叩き、踊ることで、念仏を広めていました。その後、時代とともに、現在の盆踊りに変化していきました。
日本の3大盆踊り
盆踊りのなかには、規模が大きく、観光行事となっているものがあります。そのなかでも伝統があり、規模が大きいものは「日本3大盆踊り」と呼ばれます。
【秋田県羽後町(うごまち)】西馬音内盆踊り(にしもないぼんおどり)
700年以上の歴史があり、国の重要無形民俗文化財に指定されています。野性的なお囃子(おはやし:ひきたてる音楽)と、優雅で流れるような美しい踊りが特徴です。踊り手は、篝火(かがりび)がたかれるなか、2種類の踊りを、交互に踊り続けます。編み笠(あみがさ)や彦三頭巾(ひこさずきん)で顔を隠し、あでやかな端縫い(はぬい)や藍染め(あいぞめ)の衣装を着て踊る姿は「絵になる踊り」と言われました。踊りをゆっくり見たい時は、有料の観覧席がおすすめです。
開催場所:秋田県羽後町本町通り
開催日:8月16日~18日
https://kanko1.wixsite.com/mysite/bonodori
【岐阜県郡上市(ぐじょうし)】郡上おどり(ぐじょうおどり)
400年以上の歴史があり、国の重要無形民俗文化財に指定されています。最大の特徴は、7月中旬~9月上旬にかけて延べ30夜以上、開催されること。特に8月13日~16日には「徹夜踊り」が開催され、20時から明け方まで踊り続けます。
郡上おどりは「見るおどり」ではなく「踊るおどり」といわれます。観光客も地元に人と一緒に、ひとつの輪になって踊る祭りです。郡上おどりに参加するなら、ぜひ徹夜踊りに訪れてみてください。
開催場所:岐阜県郡上市八幡町
開催日:7月中旬~9月上旬
http://www.gujohachiman.com/kanko/
【徳島県徳島市】阿波おどり(あわおどり)
400年以上の歴史があり、おそらく日本で一番有名な盆踊りです。踊り子や観客の数も国内最大規模といわれています。市内には4つの有料演舞場があり、毎晩、日替わりで1,000名を超える踊り子による「総おどり」が開催されます。他にも、3つの無料演舞場、演舞場と演舞場を結ぶ「おどりロード」など、街のいたるところで、阿波おどりを楽しめます。「おどり広場」では、阿波おどりのレッスンを受けたり、踊り子と記念撮影をしたりすることもできます。
開催場所:徳島県徳島市 JR徳島駅周辺
開催日:8月12日~15日
https://www.awaodori.tokushima.jp/