四国遍路とは?順番・服装・持ち物などお遍路方法

2019-09-12 遊ぶ

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歴史ある巡礼路を歩いて巡る旅は、世界的に人気があります。日本でも、四国八十八ヶ所の札所(ふだしょ:寺)を巡礼する旅「四国遍路(しこくへんろ)」は、外国人にも人気があります。今回は、四国遍路についてご紹介します。

四国遍路とは

1,200年前、弘法大師・空海(こうぼうだいし・くうかい:平安時代の僧)が、生まれ、修行し、悟りを開くまでの足跡を、修行僧などがたどり歩いた聖地巡礼がはじまりと言われます。キリスト教やイスラム教などに見られる「往復型」とは異なり、四国に点在する八十八ヶ所の札所を巡る、全長1,400kmにも及ぶ「回遊型」の巡礼路です。自分自身を見つめる「心の旅」といわれています。

四国では、国籍や宗教・宗派を問わず、巡礼する人のことを「お遍路さん(おへんろさん)」と呼び、温かく受け入れ見守る文化があります。まれに地元の方が、お遍路さんに食べ物や飲み物をくれることがあります。これを「お接待(おせったい)」と呼びます。「自分の代わりにお参りしてください」という願いがこめられています。

文化庁のサイトでは、四国遍路の様子を動画で見ることができます。(英語の表示に切り替えれば、英語のナレーションで視聴できます。)
https://www.seichijunrei-shikokuhenro.jp/movie/

お遍路の方法

巡礼する順番

八十八ヶ所の札所には、番号がついています。第1番~第23番が徳島県、第24番~第39番が高知県、第40番~第65番が愛媛県、第66番~第88番が香川県にあります。

基本的には、第1番の霊山寺(りょうぜんじ)から、番号順に巡ります。これを「順打ち」と呼びます。逆に第88番の大窪寺(おおくぼじ)から巡ることを「逆打ち」といいます。

しかし必ず番号順に巡らなければならないわけではありません。一度にすべての札所を巡る必要もありません。どこから巡り始めても、どんな順番で巡っても、何度巡ってもよいとされています。徒歩で巡っても、自転車やバイク、車やバスなど、体力やスケジュールにあわせた移動手段を利用しましょう。ツアーもあります。

服装

伝統的には白装束を身に付けますが、基本的には自由です。坂道や階段が多いので、動きやすい服装や歩きやすい靴を選びましょう。カバンは、両手が空くようにリュックサックや肩掛けのものを選ぶとよいでしょう。急な雨に備え、防水性のものがオススメです。

なお、普段着の場合も、輪袈裟(わげさ)、白衣(はくえ)、金剛杖(こんごうつえ)の3点だけは身に付けることをオススメします。

  • 輪袈裟:首にかける帯状の布。略式の法衣。
  • 白衣:洋服の上から簡単に羽織ることができるものもある。
  • 金剛杖:「同行二人(どうぎょうににん:一人で巡っていても、弘法大師・空海がいつもそばにいるという意味)」の象徴。弘法大師・空海の化身といわれる。

装束は、オンラインショップや札所で購入することができます。第1番の霊山寺は品揃えが豊富です。

各札所でお参りする手順

  1. 山門(さんもん)の前で合掌(がっしょう:手をあわせて)して一礼します。
  2. 水屋(みずや)で手と口を清めます。
  3. 鐘楼(しょうろう)で鐘を一度だけつきます。(鐘をつくことが禁止されている場合もあります。)
  4. 本堂(ほんどう)でローソクに火をつけて立て、線香に火をつけて立て、納札(おさめふだ)を納め、お賽銭をいれて、合掌し、数珠を手に持ち、お経を読みます。
  5. 大師堂(だいしどう)でも、本堂と同じ手順で、お参りします。
  6. 納経所(のうきょうじょ)で、納経帳(のうきょうちょう)に御朱印をもらいます。
  7. 帰りも、山門の前で合掌して一礼します。

持ち物

  • ローソク・線香、火をつけるためのライター
  • 納札
    お参りした証に納めるお札。札所1ヶ所につき、本堂と大師堂の2枚必要です。
  • お賽銭(さいせん)
    金額に決まりはありません。お釣りがでないので、小銭を用意しておきましょう。
  • 数珠・経本(じゅず・きょうほん)
    本堂と大師堂で読むお経が書かれた本です。数珠を手に持ち、お経を読みます。
  • 納経帳(のうきょうちょう)
    お経を唱えた証として、ご朱印をいただくためのノート。

その他、水筒やタオル、保険証や常備薬なども用意しておきましょう。夏場は虫よけスプレーも必要です。また、突然の雨に備えて、ジップロックなども用意しておくとよいでしょう。持ち物も、オンラインショップや札所で購入することができます。

https://www.seichijunrei-shikokuhenro.jp/
http://www.88shikokuhenro.jp/


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