外国人ITエンジニアは日本の労働環境をどう思っている?

2019-08-02 働く

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「母国でITの最新鋭のスキルを習得した外国人エンジニア」を求める企業が、どんどん増えています。すでに、即戦力として働いている外国人も、たくさんいます。なぜ彼らは日本で働くことを選んだのでしょうか。どんな不満を抱いているのでしょうか。

2019年5月、タレントハブ(外国人エンジニアプラットフォーム)の運営元であるプレイネクストラボ株式会社が、登録している外国人ITエンジニア123名を対象に、アンケート調査を行っています。結果をみてみましょう。

希望の勤務地

「日本のどの都市で働きたい?」という質問に対し、東京、大阪、札幌、福岡、名古屋、京都が97.6%を占めました。なかでも76.2%の人が「東京」と回答しています。大都市、特に東京で労働することを望んでいることが分かります。

もちろん「大都市以外の知名度が低い」可能性も指摘されています。実際「東京と大阪しか知らない」というコメントもあったそうです。

地方企業にも魅力的な仕事はたくさんあります。地方企業は、その存在や魅力を外国人ITエンジニアにアピールすることが必要でしょう。逆に、外国人ITエンジニアからみれば、大都市より地方の企業のほうが、競争率が低いのかもしれません。

日本で働きたい理由

日本で働きたい理由の第1位は「日本文化が好き」(27.6%)、2位が「日本の最先端技術を学びたい」(18.7%)と、「自分のキャリアを向上させたい」(18.7%)、4位が「給料が良い」(17.1%)となりました。

「日本文化を堪能したい、技術やキャリアを向上させたい」といった好奇心と、生活水準の向上を理由としている方が多いことが分かります。あなたが日本に住んでいる理由は、ランキングに入っているでしょうか。

日本の「好きなところ」「嫌いなところ」

  • 好きなところ
    仕事に対する意識が高く、手順通りに正確に行う職場環境が高評価
  • 嫌いなところ
    ルール厳守で柔軟性がたりない、出社時間、満員電車が不満

日本の「好きなところ」として、「仕事の文化、環境」「ビジネスチャンスがある」「技術」に回答が集中しています。時間に正確で、技術力やプロ意識が高く、協調性があることが要因としてあげられるようです。一方「嫌いなところ」についても「職場」に回答が集中しています。朝の出社時間は特に厳しく、「仕事に対してルールを優先する一方で、非効率で生産性に対する意識が低い」という意見もあったといいます。

仕事の文化や環境については気に入っているが、その考え方に違和感を覚えていることがうかがえます。

生活面では、住みやすく治安が良いことに魅力を感じる一方、言葉の壁による不便さ、通勤時の満員電車などに不満を感じているようです。

調査概要

調査目的:外国人ITエンジニアからみた日本の職場状況を探る
対象者条件:外国人エンジニア
調査手法:インターネット調査(英語)
実査期間:2019年5月22日(水)~5月31日(金)
サンプル数:123人


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