海外との違いは?日本のダシの種類や作り方
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和食(わしょく)にダシは欠かせません。日本のダシは、うま味(うまみ)成分をベースとし、日本独自の調理法に使われます。今回は、ダシの素材や作り方などについてご紹介しましょう。
コンテンツ
世界のダシと日本のダシ
世界にはさまざまな種類のダシがあります。例えば、西洋料理にはスープストックやフォン、中国料理には湯(タン)があります。
西洋料理や中国料理のダシは、脂肪分が多く、食材の旨味をダシで包み込んで、素材の味を強調するように使われます。一方、日本のダシは、脂肪分が少なく、食材にダシのうま味を浸透させて、素材の味を引き立てるように使われます。
【素材別】ダシの種類
日本では、地方や料理によって、さまざまなダシを使い分けます。素材はもちろん、使用する水やダシの取り方などによってそれぞれ味が異なります。代表的な素材に鰹節(かつおぶし)と昆布(こんぶ)があります
鰹(かつお)だし
加熱して干した鰹(鰹節)から抽出するダシです。芳醇な香りとスッキリとした味わいがあります。使いやすいので、初心者にもオススメです。鰹節の種類や削り方によって、ダシの味や用途が異なります。
最初に抽出したダシは「一番だし(いちばんだし)」と呼ばれ、汁物などに使われます。一番だしを抽出した後に残った鰹節を使って、さらに抽出したダシは「二番だし(にばんだし)」と呼ばれ、煮物などに使われます。
昆布だし
干した昆布から抽出するダシです。日高(ひだかこんぶ)昆布・利尻(りしりこんぶ)昆布・羅臼(らうすこんぶ)昆布・真昆布(まこんぶ)などが使われます。あっさりしているので、食材の味や香りを引き立てます。
煮干し(にぼし)だし・いりこだし
加熱して干した小魚(煮干し)から抽出するダシです。煮干しのことを関西では「いりこ」といいます。一般的に、カタクチイワシがよく使われます。独特な味と香りがあるので、好みが分かれる傾向にあります。
あごだし
煮干しだしの一種で、加熱して干したトビウオから抽出するダシです。九州を中心によく使われていましたが、最近では全国的によくみかけるようになりました。トビウオは他の魚よりも脂肪が少ないため、あっさりとした上品な味わいです。
その他
鰹だしと昆布だしを合わせた「あわせだし」、干した椎茸から抽出する「椎茸だし」などがあります。
基本的な作り方
素材からダシを抽出することを「ダシをとる」と言います。慣れれば自宅で簡単に作れますし、自分好みの味を探すこともできます。
鰹(かつお)だし
- 鍋に水を入れて火にかけます。
- 沸騰したら火を止め、削った鰹節を入れ、鰹節が沈むまで、約2分おきます。
- ざるで鰹節をこして完成です。(絞ってはいけません。)
昆布だし
- 固く絞ったぬれ布巾で昆布の表面を軽くふきます。
- 鍋に水と昆布を入れ、30分~1時間おいてから、中火にかけます。
- 鍋の底から小さな気泡が出てきたら、昆布を取り出して完成です。(沸騰させてはいけません。)
あわせだし
- 最初に昆布だしをつくります。
- 昆布を取り出した鍋に、削った鰹節を入れ、鰹節が沈むまで、約2分おきます。
- ざるで鰹節をこして完成です。(絞ってはいけません。)
市販品を使って簡単に!
手作りしたダシはおいしいですが、毎日作るのは大変です。市販品をうまく使いましょう。市販品は素材やメーカーによって、かなり香りや味が異なります。自分の好みのものを見つけましょう。
粉末・顆粒
ダシの素材をそのまま粉末にしたものや、食材を粉末にして調味したものがあります。
液体
希釈して使う濃縮タイプや、そのまま使うストレートタイプがあります。醤油などが入った「めんつゆ」や、薄口醤油などが入った「白だし(しろだし)」もあります。
だしパック
ダシの素材を不織布に詰めたものです。ティーバッグのように、お湯に入れてダシを抽出します。素材だけでなく、調味料が混ざっているタイプもあります。不織布を破って、中身を調味料がわりに使うこともできます。