畳の掃除の仕方と注意点
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和室にかかせない畳。ごろりと寝転んだり、素足で歩いたり、畳は素肌で接することが多い床材です。正しいお手入れを続けていれば、いつも気持ちよく使うことができます。
しかし畳の掃除と、フローリングの掃除では、注意するべき点も方法もまったく違います。今回は畳の掃除の仕方をご紹介しましょう。
コンテンツ
【そうじをする前に】畳の用語をチェック
- 畳床(たたみとこ)
畳の芯となる板状の部分です。本来は、藁(わら)でできていましたが、現在はさまざまな芯材が利用されています。 - 畳表(たたみおもて)
畳床の表側を覆う、ござのようなもの。一般的には「イグサ」という植物が使われています。最近では、和紙やポリプロピレンでできている畳表もあります。 - 畳縁(たたみへり)
畳表を固定するために、帯状の布を縫い付けた部分です。 - 畳の目(たたみのめ)
畳表の編み目のことです。
【そうじをする前に】注意すること
- 畳の目に沿って掃除をする
畳の目にさからうと、畳表を傷めてしまいます。どんな方法で掃除をする場合も、必ず、畳1枚ごとに、その畳の目に沿って行いましょう。 - 水気厳禁
畳が濡れると、傷んだり、カビがはえたり、ダニが繁殖したりします。水拭きしないようにしましょう。水拭きした場合は、必ず乾拭きして換気し、しっかり乾燥させましょう。 - 粘着式カーペットクリーナーは使わない
粘着力の強い粘着式クリーナーを使うと、畳表がほつれたり、けばだったりします。どうしても使いたい場合は、畳用などと書かれた、粘着力が弱いものを使いましょう。 - 重曹は使わない
重曹を使うと、畳表が変色したり、シミになったりする可能性があります。重曹でついたシミは落ちません。汚れがひどい場合は、クエン酸や酢を使いましょう。
ふだんの掃除
1週間に1回、ほうきではくか、掃除機をかけた後、乾拭きしましょう。どうしても時間がない時は、ドライタイプのフローリングワイパーを、畳の目に沿ってかけておきましょう。
ほうきではく
畳の目は細かいので、掃除機よりも「ほうき」の方が、簡単にしっかりホコリをとることができます。畳の目にそって、ホコリをはきましょう。
ホコリが取れたら、雑巾で、畳の目にそって、乾拭きします。乾拭きすると畳表が磨かれ、光沢が増します。ゴシゴシこすると畳表を傷めるので、柔らかく拭きましょう。
掃除機をかける
掃除機を使う場合は、勢いよく押したり引いたりするのではなく、畳の目に沿ってゆっくり動かすほうが、ホコリがよくとれます。畳1枚あたり1分くらいを目安にするとよいでしょう。
またフローリングと同じ強さで掃除機をかけると、畳表が傷みます。ヘッドブラシの回転を止めるか、「弱」モードを選びましょう。特に畳縁は傷みやすいので、少し浮かせるようにしましょう。ロボット掃除機は、畳の目を無視してしまうので、避けましょう。
掃除機をかけ終わったら、雑巾で乾拭きしましょう。
特別なお手入れ
汚れがひどい
汚れがひどい場合や、畳が日焼けして色が変わってしまった場合は、クエン酸を使って水拭きしましょう。カビやダニの予防にもなります。クエン酸がなければ、酢で代用しましょう。
- バケツに半分くらい、水かぬるま湯を入れる
熱湯を使うと、変色したり傷んだりすることがあります。熱湯は避けましょう。 - クエン酸小さじ一杯、もしくは酢100ccを入れて混ぜる
- 雑巾を濡らし、固く絞る
- 雑巾で、畳の目に沿って水拭きする
- 別の乾いた雑巾で、畳の目に沿って乾拭きする
- 換気して、畳をしっかり乾燥させる
畳に液体をこぼした
キレイな水であれば、すぐに水分を拭き取り、乾燥させます。その他の液体の場合は、塩を使いましょう。
- こぼした液体を、キッチンペーパーなどで拭き取る
時間がたったり、こすったりするとしみこんでシミになります。すぐにトントンと軽く叩くように拭き取りましょう - しみこんでいる部分に、乾燥した塩を振りかける
- 塩が湿ってきたら、汚れと一緒にかきだす
使い古しの歯ブラシなどで、畳の目に沿って軽くかきだしましょう - 掃除機をかけて塩を取り除く
- 雑巾で乾拭きし、畳をしっかり乾燥させる
カビがはえた
表面にほんの少し見える程度のカビであれば、アルコール除菌スプレーを噴射し、雑巾で乾拭きします。
浴室用やキッチン用のカビ除去剤は、畳には強すぎるので、絶対に使用してはいけません。注意しましょう。